「女川セラミカ工房
勝手に広報部」とは?
呼ばれてないのに現れた!
「震災で色を失った町をスペインタイルで彩りたい」という女川セラミカ工房のチャレンジに魅せられて、勝手に?応援を始めた東北応援団 白金支部の有志による広報部!
合言葉は「ノーリーズン、理由なんていらんねん」。



お知らせ
次号の配信時期:5 月中旬
番外編「僕のスペインタイル絵付け体験記」
次回は、サッカーが大好きな白金支部メンバーがセラミカ工房にてスペインタイルの絵付けに初挑戦!その工程を体験記としてお伝え致します。

非文化系男子でも絵付け体験を楽しめるのか!?乞うご期待!



みなとまちセラミカ工房
女川駅前プロムナードへ移転リニューアルOPEN!
店舗では手作りのスペインタイルが購入出来るだけでなく、スペインタイルの絵付け体験も出来ます! 色鮮やかなタイルに心まであったか~くなるお店

みなとまちセラミカ工房
〒986-2261 宮城県牡鹿郡女川町女川駅前
シーパルピア女川E棟21
連絡先:0225-98-7866
webサイト:
http://www.ceramika-onagawa.com

【第3回】スペインタイルに惚れすぎた旅
~阿部鳴美さんロングインタビュー 後編~


こんにちは、東北応援団 白金支部「セラミカ工房勝手に広報部」の平井です。
セラミカ工房のスペインタイルと阿部さんの人柄に惚れてしまった前編インタビューに続き、今回は『スペインタイルで町を彩るプロジェクト』やセラミカ工房のこれからについて伺ったインタビュー後編です。

「ゆずれない〝つやつやぷっくり〟」

平井: セラミカ工房のスペインタイルの大きな特徴、「ここはゆずれない」という点は何ですか?
阿部: うーん、むずかしいな、なんでしょう・・・「つやつやぷっくり」かな。タイル表面をあまり盛り上げずにさらっと流すやり方もありますが、私たちセラミカ工房は色をたっぷり盛ってぷっくり感をだしているというところかしらね。表面がぷっくり厚すぎてもよれたりしてダメなんですけど、そのギリギリのラインにこだわっています。
平井: 一枚のタイルにかかる作業時間はどのくらいなんですか?
阿部: 大きさとデザインの内容、デザインの細かさなどによりますが、大きいのだと1~2日かかり、それから乾燥させていく感じですね。

「商品の仕上がりは厳しくチェックしています」



平井: 商品制作で一番大事にしているポイントはありますか?
阿部: 仕上がり重視。お客様目線で自分が買う立場になって、それにお金を払って買えるかどうかという点を一番大事にしています。仕上がりのチェックは厳しいです(笑)
少しでも色がはねていたり、ちょっとなって首をかしげるようなところは、もう一回作り直しです。
平井: その最終チェックは阿部さんがされるんですか?
阿部: そうですね。窯入れと仕上がりのチェックは私がします。
平井: スペインタイルは焼いてしまってからミスが発覚しても、何度でも修正して焼き直せると伺いましたが、ボツになるものは基本的には無いのですか?
阿部: 基本はないですけど、お蔵入りになったものもたくさんあります(笑)
工房を始めた頃、制作に失敗してしまった表面がぼこぼこのタイルは、初心に戻ろうっていうときに見るためにキープしています。オーダー品は一点一点柄が違うので、制作が難しいという事もあって、結構ボツのままストックしているものがありますね。
平井: オーダーの制作は難しいですか?
阿部: そうですね、オーダー品の表札とかそういうものは仕上がりが難しいです。きれいに仕上げたいですし。

「セラミカ工房の仲間が財産」


平井: セラミカ工房の自慢は何ですか?
阿部: 自慢は?と聞かれると、セラミカ工房を立ち上げた仲間6人が今一緒にいることです!
最初はね、私一人の想いでかなり突っ走っている部分があったんです。でも長い間一緒にいるとみんな家族みたいになってきて、そして一人では受け入れられないことでも一緒に悩んでくれて。一緒に泣いてくれる仲間がいると、なんでもできるんだなって思いますね。だから今は仲間が財産ですね。

「女性がマイペースに働ける職場に」


平井: 私のような素人が、セラミカ工房で働きたい!となったら、どのくらいの期間で商品として販売出来るタイルを制作できるようになるのでしょうか?
阿部: 数なんですよ。数をこなすとできるようになるんですよね。人によるけど50個ぐらいかなぁ。
平井: これから、セラミカ工房をどのような職場にしていきたいと思っていますか?
阿部: もともと女川は、女性の職場というと水産加工の現場や公共機関が主だったので、自分のペースで空いた時間にちょっと来て仕事ができるような環境を作っていけたらいいなって思っているんです。自分自身が子育てしていた経験がありますので、例えば時給制ではなく委託契約で作品を買取にして、マイペースに誰でも働ける女性の職場にしていけたらいいですね。
平井: いいですね。女川には今まであまりなかった雇用形態の職場を、女性向けに作られるということですね。
「町があるかぎり終わらないプロジェクト」
 
平井: 現在、セラミカ工房さんでは「2017年1月までに女川の街を彩るスペインタイルを1万枚作るプロジェクト」を進行していますね。
阿部: そう、大きく1万枚と目標を掲げました!
その1万枚は応援してくださる皆さんのメッセージを入れたり、お名前やイニシャルをいれたりして、貼り付けはこれからです。
平井: 貼り付ける場所はすでに決まっていますか?
阿部: プロムナードの自立再建お店の階段のところに、まずは100枚くらい貼る予定です。あとは、町全体の景観作りを設計しているデザイナーの方に「タイルが輝ける場所を作ってください」とお願いしています。
プロジェクトの目標は2017年1月までに1万枚ですが、これは女川の町があるかぎり、セラミカ工房が続くかぎり続いていく終わりがないプロジェクトです。
ここにも、向こうにも。町をタイルで彩りたい。

まだ見ぬ町の未来を見据えて

平井: 「スペインタイルを新しい女川町の産業として根付かせ、町の文化として育てたい」という阿部さんの思いを実現させる、まさに町を巻き込んだプロジェクトですね。
阿部: 自分の作ったタイルが女川にあると思えば、それを見にもう一回いってみようと思ってもらえるのではないかな。そして、今度は私もタイルを残してみたいわって思う方が出てきて、どんどん増えていけばいいなって思います。ずっと継続して、ずっと皆さんと繋がっていきたいって思っています。今こうしてタイルを作ることも、いろんなご縁が繋がって、運命的な出会いが重なってここまで来ているので。これは絶対に長く、ずっと繋げていかなければならないって思っています。
平井: 住宅もこれからできて、公共の場所や住宅街や自立再建の商店などさらにタイルを設置できる場所は増えていきますね。
阿部: 実は私たちが入る住宅も、隣がたまたまスタッフのお家なんですよ。
  2軒先にももう一人スタッフがいるので、その辺をすぺてタイル通りにしようと(笑)
平井: タイル通りいいですね! ご近所さんや知り合いの方は、プロジェクトのことはご存じなんですか?
   
阿部: そうですね、町の人たちにもだんだん知っていただけて最近は「これいいよね」と言ってもらえています。
 

「女川でホームステイ!?」


阿部: 本当に今までいろんな方に関わっていただいて、スペインタイルをこの町にずっと残していきたいというのは大きな目標です。
また、町全体でみると今はお年寄りの一人暮らしが多く、使われていない部屋があるお家が今後増えてくると思います。そこでいつか民泊やホームステイができるようになるといいな、と考えているんです。ホームステイという形で1週間とか2週間、そういう空いているお部屋を提供してもらって町外から来た人たちに女川を楽しんでもらえたら。
平井: より身近に町や人を感じられる滞在スタイルは、魅力的ですね。
阿部: ホームステイした人にセラミカ工房のお手伝いをしてもらったり、町なかのあらゆる体験も含めてもっと女川町を知ってもらえるといいなと思います。

「インタビューを終えて」


阿部さんへのインタビューを終え、「女川町の未来の姿はどうなっていくのか?」と4年前と同じ疑問を持ちました。でもその問いには前とは全く違うワクワクする期待感が伴うものでした。終わりのないセラミカ工房のプロジェクトで、色を失くした町が色鮮やかでつやつやぷっくりのスペインタイルで彩られる町に変わっていく。過去から未来、人と人がつながる女川町では、まだまだ知られていない町の隠された魅力があれこれ発見できそうです。まずは1泊2日スペインタイル体験のちょい旅で女川を訪れてみるのもいいかもしれません!

次回の勝手に広報部は、白金支部のベッカム!? 近藤尚之部員の番外編「スペインタイル絵付け体験記」をお届けします。


<みなまちセラミカ工房>
住所:〒986-2261宮城県牡鹿郡女川町女川駅前シーパルピア女川E棟21
電話:0225-98-7866
HP:http://www.ceramika-onagawa.com
JR女川駅直結のプロムナードへ移転リニューアルOPENしたばかり!
店舗では手作りのスペインタイルが購入出来るだけでなく、スペインタイルの絵付け体験も出来ます。